生い立ちを書いてみる④
第四話
【ある日曜日】
なんの変哲もない、普通の日曜日。
オトンを除いた私達3人はいつものように
ちゃぶ台で朝ご飯を食べてました。
そしたら見知らぬおじさんとおばさんが
土足で家の中に入ってきて、
「うん、良い感じやん」などなどと話してます。
すかさずオカンが、
「なんですか人の家に土足で!」と言うと
おばさんが
「私らこの家買わしてもろたんです。
聞いたはらへんのですか?
前金で200万、ご主人に払ってますよ。
1週間以内に出て行ってくださいね」
と。なんだこのドラマのような展開は!
ドラマやったら良いのに!
あの家は、
おじーちゃんが退職金で買ってくれた
大切な家でした。
土地、建物。両方の名義をオトンにしたかった
おじーちゃんと、どっちかだけでも
私(オカン)の名義にしてと、かなりやり合ったようですが、そういうものは一家の大黒柱である男がなるもんや!
とおじーちゃんが譲らず
両方の名義をオトンにしたそうです。
その為に、誰に相談もなく、
勝手に売られてしまったんですねぇ。
新築から2年後のことでした。
あーあー。
オトンはお酒だけでなく、
ギャンブルにも手を出して、
借金の返済の為に家を売ったんですね。
私が幼稚園に入る頃から家には一切お金は
入れず、お酒とギャンブルに
注ぎ込んでたそうです。
家はオカンが働いてなんとか回していたとか。
なんだこの絵に描いたような不幸は!
おじーちゃんは、
どこかで立ち直ってくれるという
期待があったから、離婚を許さなかったという側面もあったようですが、
さすがに娘、孫の住む場所を奪ったことは
許しがたく、ようやく離婚を許してくれたそうです。
オカン34歳
姉貴11歳
私7歳